どんなに疲れていても、一日の終わり、布団に入るその前にBL本を手に取らずにはいられない…。
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他愛 / 鈴木あみ
2009年01月11日 (日) | 編集 |
他愛 (アクア文庫)他愛 (アクア文庫)
(2005/10)
鈴木 あみ

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研修医の彩には、渚という恋人がいます。恵まれた容姿や巧みな話術で人を惹きつけてしまう渚は、実は人格障害を抱えています。感情を知らない渚は、渚を愛する彩に対して、気持ちを試すような酷い真似を次々に繰り返すのですが…。

【以下ネタばれあり】
本棚に置いておいて時には読み返そう…というBL小説群の中の1冊で、今回最初に読んでから初めて読み返してみました。障害を持つ登場人物をメインに据えた意欲作だと思います。
受けor攻めが障害を抱えている作品で印象に残っているものは結構たくさんあるのですが、これはちょっと毛色が違うような気がします。
個人的には、渚の障害云々より、もうひたすら彩の忍耐と愛の物語だな〜という認識で読みました(笑)

作中では渚は「サイコパス」という設定で、これは良心が欠如し、嘘つきで罪悪感がない…などの特徴を持つ人格障害となっています。こんな相手が恋人だったらどうなのか?!
女関係は派手で定職にも就かず、ふらっと姿を消したり不意に現れたりの繰り返し。それだけならまだしも(いや十分いやだけれど)、生まれもったその障害ゆえに、渚は人を愛するという感情を理解することができないのです。彩がどんなに献身的に尽くしても、その気持ちが届くことはありません。

あとがきで作者が書かれているように、人格障害の渚はともかく、これでもかと渚の仕打ちに耐えてしまう彩もまた十分「変な奴」の域です(笑)渚は渚で、BL小説の攻めでかつてこれほどまでに受けの人生をめちゃくちゃにした奴がいただろうか?!ってくらいの酷い真似を次々としていくのですが、何があっても渚を見限らない彩もまたすごい…。
愛という感情を自分で知ることは出来ないくせに、彩の愛をどこまでも確かめる渚。そしてどこまでも応えてしまう彩。この二人のやり取り(?)は、なかなか壮絶でした。
サスペンスタッチで、読み応えもあると思います。

ラストは落ち着くところに落ち着いたという感じですが(ハッピーエンドです)、最後のシーンが静かに余韻を残していて印象的です。このラストシーンの渚が生きる仕掛けが本編中に散っていることを思うと、上手いなあ…と思わず唸ってしまいそうです。
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